「もし完っっ璧に音、臨場感を再現できる再生機器と環境があったら、演奏会のその場に出かけなくてもいいんじゃないか。」
と言った。
その場で演奏したり聴いたりする音楽は本当にその場限りのもので、それを含めて再現あるいは遠隔送信できるとして…
ステージで今演奏されている音楽をその会場で聴くことに完全には置き換えられないなぁ。
「なぜ?」
奏者が目の前にいないし、例えモニターがあったとしてもそれは見たい箇所ではないかも知れないから、視覚的に情報が無い或いは不十分。
演奏会会場の雰囲気が味わえない。
うーん、それに…。
『会場の雰囲気』の一部と言えばそうだけど、その一瞬をその場で共有していること、
奏者と聴き手とで作り上げるその場、空気が無い…?
説明してはみたが友人にはきっとあまり伝わってなくて、「一回聴きに来てみてください!」でまとめてしまったまま、その機会も無く転勤で友人は遠くへ行ってしまった。
人流抑制や人と接触しないことにちょっと世の中が疲れてきた中、人と会うことの意味を再認識する声が出てきて、似たことを話したことがあったなと、私は思い出した。
そう、その、人を介することで伝わる何かなんだけど、上手く言えなかったな。(今もうまく言えないし。)その友人は思い出してくれただろうか?
音楽だけではなくてスポーツも演劇もそうだろうけど、私たちは数十人で半年間その一瞬のために取り組んでいる。皆で活動している。
なんて贅沢で幸せなことなんでしょう!
そんな風に幸せを感じる何かを、きっと皆それぞれ持っているはず。
あなたは何?と、その友人に聞いてみれば良かった。
打m